序
昔のあなたを取り戻したい一心でここまで来た
最近、一人になると無邪気で幸せだったあの頃を思い出すの
あの頃は良かったね・・・
あなたと一緒にいたあの頃が私にとっての一番だったんだよ?
二人で他愛も無い話をして、たまに喧嘩して・・・そんな日々がずっと続くんだって思ってた
それが壊れるなんて思った事も無かった・・・
あいつが・・・あいつがあんなに優しかったあなたを変えた
今でも鮮明に思い出す
全身を真っ赤に染めて座り込むあなたと、血の海の中に横たわる――
・・・それがあなたと私の最後
あいつが現れてあなたの幸せを一瞬にして奪った
あなたが殺したいほどあいつを憎んでいるのはよく分かる
でも・・・あいつを殺してそれで何になるの?
あいつを殺したって、愛する人は返っては来ないんだよ?
あなたがあいつを殺したら、もう二度とあの頃のあなたに会えない気がするの
私、それだけは耐えられない
わがままだって分かってる。勝手だって怒るのも無理ない
でも私は後悔なんてしてないよ?
こんなわがままで頑固な女と結婚しようとしたあなたが悪いんだから
うんと後悔させてあげるから覚悟しといてよ――――――艦長さん?
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