序
シンデレラは突然現われた眠りの森の王子様と楽しくおしゃべりをしました。
それはシンデレラが一方的に話をするだけだったけれども、シンデレラは幸せでした。
”王子様、舞踏会はまだ続いております。よろしければ私と踊ってくれませんか?”
シンデレラはどうしても王子様と踊りたくなりました。せっかく舞踏会に来たのですから。
しかし、王子様はその言葉に表情を曇らせました。
”悪いけど踊れない”
”どうしてですか!?”
シンデレラは悲しくなりました。あんなに楽しく過ごせたのに、どうして王子様は突然冷たい事を言うのでしょう。
そして王子様は理由を言う事無くその場を立ち去ってしまいました。
”どうしてですか・・・王子様・・”
そしてまた泣き始めたシンデレラでしたが舞踏会の音楽に誘われて、また王宮へと足を運びました。
天使の仮面を被った悪魔の王子様に見付からないようにこっそりと舞踏会場へと紛れ込んだシンデレラでしたが、ダンスの相手がいません。
しかもシンデレラの顔は泣きじゃくっていたせいで、お化粧は取れてお世辞にも綺麗とは言えませんでした。
一人でいるシンデレラに皆はクスクスと笑ってダンスを楽しんでいます。
とても惨めな気持ちになったシンデレラはもう帰ってしまおうと思いました。
舞踏会になんてもう二度と来ないと決めて溢れ出る涙を堪えながら部屋から出ようとしたシンデレラでしたが、
”僕と踊っていただけませんか?”
一人の男性がシンデレラにダンスを申し込んだのです。
シンデレラはその人物を見てとても驚きました。
”あなたは・・・”
それはシンデレラが最も会いたくなかった、あの悪魔の王子様だったのです。
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