序
こっそりと舞踏会が開かれているお城に行ったシンデレラは煌びやかな人と雰囲気に酔ってダンスもせずに部屋の隅に立っていました。
”やはり私など、こんな華やかな場には相応しくないのだわ”
シンデレラは後悔して母の待つ家に帰ろうと思いました。
しかし、その時誰かがシンデレラに声を掛けてきたのです。
”僕と踊って頂けませんか?”
振り向いた先にはこの世の者とは思えない程美しい少年が手を差し出して立っておりました。
”はい”
シンデレラは咄嗟にその手を取っていました。
少年とのダンスは夢のような時間でした。
”あなたは誰ですか?”
シンデレラが問いかけると少年は天使のような微笑を浮かべてこう言いました。
”僕はあなたの王子です”
ずっと自分だけの王子様を探し求めていたシンデレラはとても嬉しくなりました。
しかし世間知らずなシンデレラは分かっていなかったのです。
その王子様は天使の仮面を被った悪魔であったことを。
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